つくづく思う。親に関することは、逃げ切った者が得をする。
特に、親が年老いたらさっさと逃げた方が良い。
できない・しない、理由はなんであれ、しなかったらそれで済む。
ほっとけないと思った者が全部を背負い込み、その結果たいして得もしない。
「面倒を見てくれてありがとう」と、財産でも多めに相続できるのならまだしも、そこだけは兄弟平等なんだよ。
「ありがとう」どころか、「そんなこと、頼んだ覚えはない」と言われる可能性だってあるんだ。毒親の場合は、そのセリフを親自身が言うことだってあるんだよ。
そんな憂き目を見ている人は、周りにもたくさんいる。
昔々は長男が家を継いだ。
家屋敷を引き継ぐとともに、親のことも全部引き受けた。
今は「家父長制」がほぼなくなって、親のことは子ども全員で引き受けるようになった。
でも実際には「全員で」ではない。
兄弟姉妹のうち、誰か一人が引き受けているのが現状ではないだろうか。
何もしない人は本当に何もしない。
仕事や家庭の事情などなど、何かしらを理由にしないんだ。親も何故だかそれを黙認する。
よくよく観察していると、しない者はたいてい「親に最も愛された子」のような気がする。
何もしなくても親はその子を可愛がり、「あの子も大変だから」と、逃げていることを擁護しさえする。
親から愛情を注がれた子は、わざわざ大変なことを引き受けなくても、親がそっぽを向かないことを肌でわかっているのだろう。
わかっているというよりも、親に対する「変な執着心」がないんだろうと思う。
そうでない子は、親をどうしても捨てられないんだ。
何もかも引き受けて、それでもはやっぱり親は「一番のお気に入り」を可愛がる。そりゃそうだ、親もただの人間なんだからさ。好きなものは好きなんだよ。
親に執着しないこと。
親に愛されなかった(と感じている)子にとっての最重要課題は「親への執着心を捨てること」なんだ。
親のことは、したくなければしなくてもいい。
あなたがしなくても誰かがするだろうし、最後は行政が面倒を見てくれる。
最悪お金で解決すればいい。もちろん兄弟姉妹で割り勘だ。
親のことは逃げたもの勝ち。逃げ切った者が得をする。そして残ったものは、みんなで平等に分ければいいんだよ。
親のことに首を突っ込んで傷ついたり損したり、そんなバカなことはやめた方が良い。ほっとくのが一番なんだよ。