毒親育ちの毒親考察

私の母は何かがおかしい

あれはパワハラだったんだと30年以上経って気付いた話・その1

<長いので2回に続きます>

 

つい最近になって、「あれってパワハラだったんじゃないの? それが原因で今でも苦しいんじゃないの?」と気が付いた。今回はその話をしようと思う。

 

30年以上前、大学を卒業して営業職として入社した。

 

2年先輩の男性社員が私の教育係となった。その先輩(Aとする)はよくしゃべる人で、今思えば少し多動の傾向があったようにも思う。

 

仕事中ずっとボケ・ツッコミのような会話をしていたり、ちょっと落ち着きのない人だったが、仕事はできる人だった。

 

Aは私が入社した当初から、何かとちょっかいをかけてきた。自分の自慢話だったり、私の髪型や服装を褒めたり。

 

ある時は私の傍に来て「僕の父親は○○(大企業)に勤めてるんだ」と、脈絡もなく言ってくる時もあった。またある時は、自分の大学時代のエピソードを話し出すときもあった(お金があった自慢)。夏になると花火に誘われたり、会社の飲み会の時なども隣に座ったりしていた。

 

そんなことが続いたので、私は「Aは私の事が好きなのではないか?」と思ってしまったのである。

 

私の勘違いだったのかもしれないが、Aは「今、付き合ってる人はいないんだ」などと、聞きもしないことを言ってくることもあって、私はそう思ってしまったのだ。

 

そう思ったら何となくAの事が気になりだし、1年後にはすっかりAの事を好きになってしまっていた。

 

これが間違いの元だったのだ。

 

私は自分の「好き」と言う感情を完璧に隠すことができない。隠そうとしていても挙動不審になったりして、周りの人に気付かれてしまうのである。Aに対してもそうだった。

 

これはサラリーマンとしてはあるまじきことで、反省することしきりである。こういう面で私にも確かに非があった。

 

しかし最初はなんでもなかったAが、ある時を境に私に対する態度が豹変したのである。上司が心配するほどの、今でいうパワハラを繰り返すようになったのだ。

 

報告に行っても、声が小さいとか聞こえないと、皆の前で大声で叱責されたり(それまでは何も言わなかったのに)、ちょっとしたミスで机を蹴られたり、ゴミ箱をけ飛ばされたり、小バカにしたように鼻で笑ったり、私にだけきつい態度をとるようになったのだ。

 

後でわかったことだが、ちょうどその頃、Aに彼女ができたのだ。

 

その彼女と言うのは、同じ会社の女性社員だった。どうやらその女性の方から、付き合ってほしいと言われたらしかった。

 

私もその女性のことは良く知っていたので、物凄くショックだった。自分だけが何も知らずに、二人から裏でバカにされてたような気分になったのだ。

 

今思えば、Aは私が邪魔になったんだな。

 

彼女ができて、しかも同じ社内だから、私の「好き」という感情が迷惑だったんだろう。パワハラ行為で諦めさせようとしたのか、あるいは会社を辞めてほしかったのかもしれない。

 

だったら、あの1年に渡るちょっかいは何だったのだろう? ちょっかいをかけておきながら、こちらがその気になった途端に彼女が出来てパワハラの嵐って…

 

そのあとすぐ私は会社を辞めた。

Aの思うつぼ。今なら絶対にやめないけどね…

 

しかし色恋のことだけだったら、20代の若い男女のゴタゴタで済んだのだ。若かった頃の苦い思い出で済んだのだ。

 

でもその後何十年も私を苦しめたのは、そんな失恋の部分ではなかった。

 

その2に続く