先を読む
こうしたらこうなるなと、予測ができない人は大変です。
全部を読むことはできないけれど、ある程度の予測をたてておかないとすべてが行き当たりばったりになって、二度手間が増えたり、他人を不快にさせてしまうことも多くなります。
予測の立てられない人は、やってみて初めて不足や不都合に気が付くのだと思います。
母の場合も同じで、何かを始める前に「これでいいね」と何度も確認しておいても、あるいは「こういう事が起こるかもしれないよ」と伝えておいても、いつも「いいよ」という軽い返事が返ってきます。
何でも安請け合い。
予想通りあまり良くないことが起こると、「いいよなんて言った覚えはない。こんなことだったら止めておいた方が良かった!」とわめくんですよね…
「それならこうしておこうか」などという気が回らないので、自分がどう感じるか、どうなるかは、結果を見ないとわからないんです。
過去の惨事の例
惨事の始まり
過去の例を一つ。
もう10年以上前のことになりますが、家のリフォームを考えていた時のことです。
母の知り合いで内装業の会社をやっている人(「Aさん」とします)がいて、常日ごろから「何かあったら頼んで」と母に言われていました。
私はいつも、知り合いには仕事を頼まないようにしています。
断る時に気まずいし、後で何かあっても文句とか言えないし、そんなこんなで、仕事は知り合いでない人に頼むことにしていたんです。
しかもリフォームするかどうかを迷っていたので、先ずは料金を知りたかったんです。お値段の折り合いが付けばしようかな…と言う感じだったので、尚更「知り合いには頼めないな…」と思っていたのです。
ところがこの時は、なんだか見積を頼んでみようかと言う気になってしまったんですよね…
でもこれが災難の始まりでした。
何も伝えていない
母には「迷っているから断るかもしれないよ。値段を知りたいだけだから、断っていもいいなら見積をお願いしようと思う」と伝えました。
一抹の不安があったので、「断るかもしれない」の部分は何重も確認しました。
母は「それでいいよ、するかしないかはわからないけど先ずは値段が知りたいと、Aさんには言っとくから」と言いました。
それから数日後に、Aさんが我が家に見積もりにやってきました。しばらくして料金の連絡があったのですが、少々お高目でした。
「するかどうかまだ決めてないんですけど、また連絡します」と伝えて夫と相談していると、Aさんから数日後に電話があって、「○○日に工事を始めたいんですが、どうですか?」と。
なんとAさんは見積だけとは聞いていなかったようで、工事発注は決まっているものと思っていたんです。
母は何も伝えてなかったんです。たぶん「見積してやって」とお願いしただけなんでしょう。
事情はさておきAさんには迷惑をかけたので、急いでAさん宅を訪れ、リフォームの件ははっきりとお断りしました。
母の怒り爆発
それから数日後、母からの怒りの電話が鳴りました。
「なんで断ったんや! 知り合いなのに断るなんてありえない! 」
あぁぁぁぁ…こうなるよね。この時ばかりは自分の失態を呪いました。
母の知り合いに頼むべきではなかった。
こうなるかもしれないと思ったから、何度も確認したんだけど、そもそも母の前で家のリフォームの話なんてするべきではなかった。
私はアホだ。
こうなったら母はもう止まらない。
なぜ断ったんだ!と言うので、金額が合わなかったからだと答えると、
「ちょっとくらい高くても、そのくらい出せばいい! 」とくる。
気持ちの転換
母の頭の中を覗いてみると、たぶんこうでしょう。
①リフォームの話を聞いた時は、「あっ、それならAさんに言ったらいいわ」と単純に思った。
②娘は「断るかもしれない」と言っているが、まぁそれでもいいんじゃない?と思った。何も考えてないので、Aさんに 詳しい説明もしていない。
③何かの話のついでに、Aさんから断った事実を聞いた。その時母は「居心地の悪さ」を感じたんだと思う。
もしかしたらAさんの表情とか口調とかが「なんか嫌な感じ」のように思えたのかもしれません。(Aさんは快く、断りの連絡を受けてくれましたが)
さぁ、ここから気持ちの転換が始まります。
「Aさんに悪いなぁ」→「このモヤモヤした気持ちは娘が断ったから起きた感情だ」→「私を不快にさせたのは娘だ」→「娘が悪い」
まぁこの件は、頼んだ私が悪いんですが…
おかげでリフォームしたいなぁという楽しい気持ちは吹っ飛び、嫌な感覚だけが残りました。
要注意
先の読めない人は「いいよ」と安請け合いしがちです。
そして結果が悪ければすべてこちらの責任にされるので要注意です。
こういう人が職場にいると厄介ですが…たまにいますよね。
それにしても、ひとまず値段が知りたいから見積だけお願いするって、気を遣いますね、知り合いの場合は。お願いするときは「言い値」なんでしょうね。
知り合いに見積もりだけ…私はしたくないなぁ… 自分がしたくないことをしたんだから、まぁこの件は私が悪いんです。
ややこしいことになるから、「仕事は抜きにしましょう」と、最初から仕事を受けない知人もいました。
やっぱりそれがいいなぁ…