うちの毒親は昔から、「言ってない」「聞いてない」のトラブルが多い人だった。
父とも、よくそのことで揉めていた。
母が「言ってない」「聞いてない」という時は必ずといっていいほど、言ってるし聞いている。
なぜそんなに簡単に忘れてしまうのか不思議なんだけど、きれいさっぱり記憶から消滅してしまうようなんだ。
最近になって、「ちゃんと理解して聞いてないから、あんなにきれいに忘れてしまうんじゃないだろうか?」と思うようになった。
一緒に行動しているとわかるんだけど、「○○さん、こう言ってたね」と話しても、「え? あれってそういうことだったんだ」と言う答えが返ってくることがある。
話の内容は、決して難しいものではない。
でも母は「AならBである」とか「AとBは同じことを言っている」などという関連付けができないので、聞いた「言葉」以上のことを理解したり推測したりすることができなんだ。
前回書いた脳梗塞を起した親戚(言語障害・半身不随)の話で例えると、
その人は発症後のリハビリが終わったら、家に帰ることができると思っていたようなんだ。だからそのまま施設で暮らすことが分かったとき、家族に怒って喚いたそうだ。
家族の人がそのように話した時、一般的には「そんなふうに怒るのなら、感情はあるし、相手の言っていることも理解しているんだな」と気づくのではないだろうか。
でも母は違う。
「その人が家に帰れなくて怒った」と、ただそれだけを理解するだけなんだ。
この人に感情があって、聞いたことも理解しているとわかったのはなんでだったかな?
あぁそうだ、家族の人が○○と言っていたからだ。
そんな風に話を紐づけして記憶していないから、「家に帰れなくて怒ったと言ってた」という話を簡単に忘れてしまうのではないだろうか。
そして「そんなこと聞いてない」と平気で言うのではないか。
そんなふうに、母は「聞いていても聞いていない人」なので、話半分に聞かないと相手を誤解してしまうことがあるんだ。
関係者から、母が話していたこととは全く違う事実を知らされることもある。
そしてそのことを母に問いただすと、「そんなこと、あんたに言った覚えはない」と言われるんだよ…
トラブルメーカーとは、こういう人を言うような気がする。煙のないところに火を起こしてしまうんだ
でも一番びっくりするのは、他人が同じことをすると怒ることだ。「あの人は自分の言ったことをすぐ忘れる」って。
それはあなたも同じですが? 気付いてないとかですか? もう何度も指摘してますが?
こうして文章にしているといつも思う。あの人の頭の配線は、一体どうなっているのか?って。混線しているにもほどがあるだろう。
付き合いきれない人とは、こういう人を言うのだろう。一緒にいると、こちらが振り回されて疲れ果てるんだ。