最近になって、母はやたらと「家を売ろうかと思う」と言うようになった。
売った後どうするのかは、たぶん何も考えていない。老人ホームに入るのは嫌だといていたが、気が変わったのだろうか。
母が「売る売る」と言っているのは、私が遺産分与でもらうことになっている不動産だ。
売ってしまえば私の取り分は「ほぼゼロ」となるが、そのことをわかって言ってるんだろうか? わかって言っているのなら、それは私に対する「嫌がらせ」ですか?
兄弟は駅近の住宅地に家を新築してもらっているので、それが相続分となる。
私がもらうのは、車がないと生活できないような田舎の、傾きかけた古い木造住宅。売っても二束三文にしかならない(そもそも買い手がない)。
非常に不公平だと思うが、もうあの頃の事(兄弟のために家を建てたこと)は思い出したくない。
あれも母が突然言い出し、相談という名の結果報告を聞かされ、トントン拍子で進んでいった。
親が自分たちのお金ですることなのでどうでもいいのだが、「兄弟の家を建てる」ことをなぜ私に嬉々として語るのか、本当に意味不明だった。
そして最近になって「家を売る」と、しきりに言ってくるのだ。
一体どういうつもりなんだろうかと思う。
自分が言っている事が、相手にどう聞こえるのか、
相手をどんな気持ちにさせるのか、
なぜそれを考えることができないんだろうか。
できないんだろうとわかっていても、非常に不愉快な気分になるのだ。
家を売って、その分で老人ホームに入ってくれるんだったらそれでもいいかと思う。
しかし母はそこまで考えてはいない。
家を売ることがどれだけ大変か、
引っ越しや荷物の整理は一体だれがやるのか、
そんなことは全く考えずに、思い付きでものを言っているのだ。
あまりに腹が立つので、
「後の始末を考えて言ってますか?」とラインで返事をした。
もっと思慮深い母親だったらなぁ…と思う…