仕事でも何でも、説明が上手い人と下手な人がいる。下手な人の説明は、ほんとーーーーにわからない。
こういう話をするときは、一旦、自分のことは棚に上げておくことにする。
自分の説明が上手か下手かは自分ではわからない。ひょっとするとド下手かもしれないので、棚の上の方に上げておくのが賢明だ。
説明が上手な人達
身近なところで説明が上手だと感じるのは、やはり「役人」の方々だ。
市役所や税務署、年金事務所の人など、役人の方々は説明が上手い。上手い人が対応するのだろうけれど、「わからないなぁ…」と思ったことはこれまで一度もない。
順序良くまとめて話してくれるので、非常にわかりやすい。こちらの質問も外すことなく答えてくれるのでありがたい。
銀行やデパートなど、人対応に携わっている人々も、当たり前だが説明が上手だ。
一応のマニュアルはあるんだろうけど、それだけで足りることはないので、やはりうまいのだろう。
こいう場所で下手な人が対応してしまうと、お客が「モンスター化」してしまうので大変だ。
だから人選には気を遣っているのだろうと思う。
説明が下手な人
私は「準・兼業主婦」なので、年中アルバイトに行っている。
3年ほど働くと、家族に何らかの「忙しい時期」が巡ってくるので、そこで一旦やめて家族のフォローに付いて、落ち着いたらまた働く、を繰り返している。
なので結婚後に働いたバイト先は7社ほどになる。
「アルバイト・パート」で働く人には、いろんな人がいる。
なんでこの人ここで働いてるの?というような優秀な人から、う~んとうなってしまうような人まで、人材は実に多様だ。
そんなアルバイト先には、たまにびっくりするほど説明が下手な人がいる。
まず困るのが、新米バイト(私)への業務説明がわからないことだ。
質問しても、「それじゃないんだけどなぁ…」という答えが返ってくるばかり。
そういう人の場合きけばきくほど混乱するので、言葉でやり取りすることは諦めることにしている。
まず言われた通りやってみて、違ったら「違う!」と言ってくれるので、丁重に謝って訂正する。
そうやって一つ一つ確認してく方が早いし、他に手がないのだから仕方がない。
不思議なことに、そういう人が一人でもいる職場は、他の人も大なり小なりその傾向があったりする。
そもそもアルバイトが多い職場だと、その環境にイライラする人は辞めていくのだと思う。後に残るのは、同じような人ばかりで、ますますその傾向が強くなっていくのだろう。
下手な原因
優先順位がわかってない
なぜ説明が下手だと感じるのかを考えてみた。
まず、優先順位を間違っている場合が多い。
「今、その説明をしなくてもいいよね」と言うことを、いやに熱心に詳しく伝えようとする。
相手がそうしてくれると自分がやりやすいとか便利だとか、そういう個人的な欲求に重きを置いてしまうんだろうけど、仕事全体にとっては些細なことだったりするんだ。
まだ慣れていない人に些細な、言ってみれば「どうでもいいこと」を伝えても混乱させるだけで、相手のメモリースペースを無駄に占領させることになる。
先ずは仕事の流れをざっと説明して、大事なことだけを伝えればいいと思うんだけど、下手な人に限って「どうでもいいこと」の分量が多かったりする。
順序がバラバラ
次に、段取りが悪いこと。
「あっ、それからこれも言っとかないと」があまりに多い。
結果、話があっちこっちに飛んでしまって、新米としては訳が分からなくなる。段取り良く流れに沿って説明することができないのか、順番がバラバラなんだ。
おまけに要点がまとまってないから、聞くたびに言ってることが違ったりする。
言った通りにしても「そうじゃない!」と言われたり、「どういうこと?」なんだ。
理解力がない
致命的なのが、こちらが何を聞いているのかを、わかってもらえない事だ。
なんでそういう答えが返ってくるのか? と思うことが頻発する。実にトンチンカンな答えで訳が分からない。
あまりはっきり言うと怒らせてしまうので、「つまりこういう事ですか?」と確認するんだけど、その答えが「違う!」ばかりなこともある。その後に続く説明が、これまた意味不明なんだな…
どうすりゃいいんだ…と頭を抱えたい気分になる。
私の訊き方が悪いのか、私の頭が悪いのか…
「言語化」は総合的な能力
こういう事って「言語化する能力」の違いなんだろうと思う。
「言語化」とは、ただ言葉にすればいいというものではない。
新米への業務説明で言うならば、まずは仕事の全体像が見えてないとダメだし、新米さんが今、どの辺りにいるのか(どこで迷子になっているのか)を確認しないといけない。
その二つを繋ぐためには、仕事のどのパーツをどう組み立てて伝えたらわかりやすいかを考えないといけない。
俯瞰する力、パーツを組み立てる力(論理的に考える力)、それらをまとめて「言語化する能力」と言うのだと思う。
この力が弱い人が説明すると、目の前だけの話になってしまって「わかりにくい」と感じるのではと思う。
学歴フィルター
「学歴フィルター」って問題になったりするけれど、この能力はやっぱり学歴に比例するだろうと思う。
受験って「言語化する力」を測っている面が強い。
やり抜く力とか真面目さとかもあるんだろうけど、一定以上の高学歴になると、それだけでは太刀打ちできないのも事実だ。
出題者が何を訊いているのかを素早く正確に読み取り、適切な回答を提示する。
理系でも文系でも、試験とはつまりはこういう事だよね。これって仕事そのものじゃないのかな。
そういう「言語化する力」の強化訓練を、小学生の頃から12年間やってるってことだ。
その競争に勝ち残ったものが、高学歴の座を手にするんだろう。
ただし学歴といっても、サンデーM日がやってるような細かい分類ではなくて、この大学群ならこのくらいの力を持っているだろう、という大まかな事なんだけど。
実際の就活で使われている大学群の分類は、そこそこ正しいのではないかなと思う。
全員が同じベルの「言語化能力」を持っていれば仕事はスムーズに進むだろうし、頭を抱えるような事態も少ないのではないかと思う。
そういう意味で、ある程度の「学歴フィルター」は仕方ないのではないかと思うんだ。
あとがき
職場の多勢を占めるのがどんな人かによって、仕事のやりやすさは全然違ってくる。これはバイトでなくてもそうなんだろうけど…
今のバイトを始めて1か月経った。
バイト先輩の説明が全然わからなくて、ほんと、やりにくい。こんなバイト先は久しぶりだ(前にも一度あった)。
ここにいても次々と問題が起こるだろうし、巻き込まれるのも嫌なので辞めることにした。
あぁ…また就職活動かぁ…と思うと億劫だけど仕方ない。いい年だし、あるのかなぁと不安だけど頑張ってみるとしよう。
今度こそ、説明上手な先輩だったらいいなぁ…