父はすでに他界しましたが、父が良く母に言っていたセリフを思い出してみました。
よく考えてものを言え
もっと普通に言えんのか?
なぜそんな意地の悪い言い方をするのか?
もっと人をたてろ
行儀が悪い
この言葉だけ聞けば昭和の臭い漂うかもしれませんが、母に向けられた言葉だと思うといちいちもっともなことなのです。
私も幼いころから横で聞いていて、父の言う通りだと思っていました。もちろんそんなことは口にはしません。言うと大変なことになりますから。
父は少々頑固でしたが、頭の良い、よく気の付く人でした。人に対しても親切で、困っている人がいたら率先して助けるような人でした。
でも母はそんなところが気に入らず、「他人なんてほっておいたらいいのに」と、いちいち嫌味を言っていたのを覚えています。
できない自分が批判されたような気がするのでしょうか?
感覚の違う二人ですから、年中喧嘩がたえませんでした。
私が10歳の時、いよいよ離婚するか?となり、私は内心「やった~!」と。
絶対父についていこうと心に決め、やっとこの「頭のおかしい母」と決別できるのだとワクワクしていましたが、残念ながら離婚は成立しませんでした。
父方の祖父も離婚には賛成していたのですが、理由はわかりません。
聞いたところによると、母方の祖母が「孫たちを父親のいない子にするのか!」と泣いたんだそうです。
なんと余計なことを。
母も、子供二人は育てられないと断念したんだとか。
あぁぁぁぁ
私があの時「お父さんに付いていくよ」と言っていれば、離婚は成立したのかもと激しく後悔しています。
それにしても、あの賢い父がなぜあんな母と結婚をしたのか、とっても不思議です。
父が末期のがんを患い、これが最後の家族旅行になるかもしれないという時でも、些細なことで癇癪を起し、楽しい雰囲気を台無しにした母です。
なぜこんな人と…
私の想像ですが、
父は田舎の山奥から都会に出てきた人です。都会と田舎では価値観も違い、何かとストレスが多かったのかもしれません。
あの母なら自分の価値観を脅かすことなく、「お前はバカだなぁ」と気楽に過ごすことができたのかもしれないなぁ…と。
そんなことを考えると、私は思うんです。結婚相手には聡明な女性を選んでほしい、と。
男性は「バカでかわいい女性」を好む傾向にあると聞きます。
「バカ」という言葉が何を意味しているのか分かりませんが、中には間違って、本物の「バカ」と結婚してしまう男性もいるでしょう。
結婚だけならそれでもいいです。
でもね、バカな母親って子供にとっては迷惑でしかないのですよ。
下手をしたらその「バカ」遺伝子を受け継いだ子供が生まれて、一生子供で苦労するかもしれません。
聡明な女性は時には反論したり、自分の意見を言ったりします。でもそうやって叱咤激励しつつ、二人で家庭を経営していくものではないでしょうか。ワンマン社長とイエスマン社員ではうまくいきません。
もちろん男性もです。
学歴があるとか、年収が高いとか、「親として賢い人」とはそんなことではないのです。
常識があって、ちゃんと言葉で説明ができて、むやみやたらと感情的にならない人。人の忠告や意見に聞く耳を持ち、人の気持ちがわかる想像力のある人。
これを一言で言うなら「あたたかい人」だと思います。
あたたかい人に育てられないと、子供は凍ります。そして親から離れ、自分を解凍するのに、とても長い時間がかかります。
生まれてくる子供のためにも、結婚相手は慎重にと、切に願うばかりです。