うちの毒母は見た目がとても幼い。
「若々しい」とはちょっと違う。
大人としての落ち着きとか、年相応な「年輪」みたいなものがほとんどない。
子供がそのまま老けた感じとでも言うのか、なんだか奇妙な「幼さ」がある人だ。
人の成長が最も現れるのは「目」だと思っている。
幼児の頃は、ふんわりとした天真爛漫な目をしている。
小学生になると、キリっとした目元になってくる。
そして段々と、その年齢に見合った知的な目になっていく。
老人になると、まろやかな穏やかな目になって終焉を迎える。
ところが毒母の目は変わらない。
いつの年齢でも、幼くぼんやりしている。
だから母の過去の写真を見ていると、すべて同じような顔に見えるのだ。
今の時代「若く見える」は褒め言葉のようになっているが、必ずしもそうとは思えない。年相応の成長を遂げていないとも言えるからだ。
年齢に見合った美しさと言うものがあると思う。
それは「見た目の若さ」ではない。
大人の利発さ、精神的な成熟、そんなものがにじみ出たような美しさ。
それが本当の「大人の美」だと思う。
成長を遂げた顔こそが美しいのだと思う。