母が亡くなって2年半。
子どもの頃からずっと、私の頭の中で響いていた「早くしろ!」という罵声が消えつつある。
母は、「待つ」ということができない人だった。
相手が幼い子供だろうと体の衰えた老人であろうと、自分が思うペースで相手が動かないとイライラが爆発するのだ。だから「早くしいな!(早くしろよ!)」は母の口癖のようになっていた。
だから私は「早くしないといけない」と常に焦っていた。母がその場にいようといまいと、何だか早くしないといけないような気がして仕方がなかった。
私は何事にもミスが多かった。そのことに長い間悩み、ひょっとして自分は発達障害なのではないか、ADHDの気があってそうなのではないかと思っていた。
ところがここしばらく、自分のペースで焦ることなく物事を行うと、驚くほどミスが減ったのである。
「早くしいな!」という罵声にビクビクすることなく落ち着いて行えば、私だってミスなくできるのだということが分かった。
これも私に染み付いていた「母の毒」だったのだと気が付いたのである。
悔しいなぁ…