親が毒親で何が辛いか。
酷い仕打ちを受けて辛い、
それが一番大きいが、それだけではない。
今のように「脳の問題」がクローズアップされる前は、すべては「育て方のせい」とされていた。だから平気で「こうすればこうなる論」が、子育てや家庭問題にも採用されていた。
例えば、ドロシー・ロー・ノルト女史の「子供が育つ魔法の言葉」。
子は親の鏡!『子どもが育つ魔法の言葉』シリーズ|PHP研究所
女史に悪気はないのはわかるが、「そりゃ、そうできればいいよね…」としか思えない。
そんな風に子供を育てられるのは、その人が最初から「そういう人」だからだろう。
頑張ろうと努力しようと、できない人にはできない。そもそもそんなことに気が付かない親も多いと思う。
そしてそのできない人々が「毒親」と呼ばれるようになるのだろう。
確かに「育てられ方」や「環境」で変わる部分もあると思う。
しかし「常軌を逸した部分」は「育ち」が原因ではなく、その人が元からそうだからではないのか?
毒親の子供が辛いのは、自分が忌み嫌った「常軌を逸した何か」が自分の中にもあるってこと。縁を切ってしまいたいほどの親の姿が、その死後も自分の中で生き続けること。
直接痛めつけられて辛い上に、自分の中にその姿を感じて更に辛いとは…
酷い話ではないか…