この話はもう何度もしたかもしれない、きっとしてる。
同じことを繰り返し、しかも亡くなった人の悪口とも言える内容を書くのもどうかと思うが、私のこんがらがった頭をすっきりさせるためには必要な作業なんだと開き直ろう。
母のイヤだったところ、それは「デリカシーの無さ」と「すぐにキレるとこ」に尽きる。
母は、言わなくても良いことを平気で言う人だった。その上、自分の発言の何が相手を怒らせ、傷つけているのか分からないから、同じことを何度も繰り返すのだ。
ギョッとしたことはいろいろあった。
或る時は、珍しく優しいことを言うと思ったら、「…って言っとかな、あんた、また気にするやろ」と続いた。
なぜなんだ? なぜそのセリフを付け加えるのか、私には、まったく分からない。
ひょっとして「私は気を利かせたよ」と知らせたかったのか? 相手をむやみに傷つけない」という本来の目的を全く果たしていないが、いいのか?
また、こんなこともあった。
親戚に外国籍の人がいるのだが、母はその人の目の前で、その国の批判(ほとんど悪口)を思う存分ぶちまけた。
なぜそんなことを言ったのかと注意すると、母は「あんた(外国籍の親戚)には悪いけど言うわ、と前置きした」と、だから良いんだと言わんばかりだった。
いやいや、そういうことではないだろう? 母国を”その人の前”で批判しないのは、最低限のマナーではないのか?
母は「そんなん気にしてたら何も話せなくなるわ!」とキレたが、それならずっと黙ってろって話だ。
何を言い出すのか分からないので、気を使う人には絶対に合わせられない人だった。私の義理の親族も怒らせたことあるしね…
この行動を勝手に想像するに、母は誰かを見た瞬間、あるいは気になる何かを見た瞬間、そのことから頭が離れなくなるんだろうね。
その人に関連した事柄(批判的な感想)が頭にババーーーっと浮かんで、その浮かんだ事柄を口に出さずにはいられない、と言うか、衝動的に口に出してしまうんだろうと思う。で怒られて、自分を守るために逆ギレするという繰り返し。
外国籍の親戚の件もそう。その人を見た瞬間、その国の悪口が浮かんだんだろうね、それでそのまま口から出してしまった、と。
たとえ直接言わなくても、同じ結果になる事もあった。
例えばその場に「髪の毛が薄い人」がいたとする。でも「あなたハゲてますね」と言うとまた怒られる。でもそこから頭が離れない。
そこでどうなるかと言うと、「そう言えば昨日、電車に禿げた人がいた」とか、「誰それは髪の毛が薄い」とか、”禿げ関連”の話ばっかり言い続けるのだ。だから直接言われなくても、その場はたちまち嫌な雰囲気になってしまう。
こういう人って、どうしたらいいんだろう?
一つ一つ注意して直してもらうしかないんだろうけど、応用が利かないからきりがない。母は結局、一生改善されなかった。父に何度も注意されていたけど、無理だった。
いやはや、傍にいると精神がやられるという、厄介至極な人だったよ。