毒親育ちの毒親考察

私の母は何かがおかしい

うちの毒親は【余裕のない人】だったなぁ…

 

うちの亡き毒親は、何につけても【余裕のない人】だった。

 

気持ち的にはもちろんのこと、頭の余白というか、いざという時の為の、頭の予備スペースが全くない人だった。

 

「いるかいらんかわからんが、取り敢えず情報としてキープしておく」という事ができないんだな。メモリースペースが異常に狭いのか、「今、生きるに必要な最低限の事」しかキャッチできないし頭に残しておけないんだよ。

 

例を述べるてみる。

 

我が子がまだ幼かった頃、私の両親、私と子どもとで川遊びに行ったことがあった。

 

よく行く川だったが、着いた時にはすでに先客があって、若い男性二人と子供が遊んでいた。私たちは彼らから5メートルほどの距離に日よけのテントを張った。

 

親戚の子供を遊ばせているのかな?と思っていたら、向こうから父親らしき年配の男性がやってきた。何気に見ていると、その男性の背中には一面に「入れ墨」が彫ってあったのである。

 

私は慌てて目をそらした。傍にいた父を見ると、なんともいえぬ険しい表情をしていた。「えらい時にきてしまった…」 私と父は多分同じ気持ちだったと思う。

 

聞こえてくる会話や彼らの態度から察するに、若い男性らは「組の若い衆」で、「入れ墨」の年配の男性は親分みたいな立場の人で、子どもはその息子。親分が幼い息子と若い衆を連れて川遊びにきたのであろう。彼らは水遊びやバーベキューを楽しんでいた。

 

ただそれだけのことで、特に何かされるとかはなかったのだが、何もなくても妙に緊張すると言うかなんというか…。

 

その帰り道、「今日はエライ人たちと一緒になったねぇ…」と私が言うと、なんと母は「何が?」と聞き返してきたのである。

 

「何がって、隣の集団、あれヤ〇ザやで? 背中に彫っであったやろ? 会話もそんな感じやったやんか」

「彫ってあったって、何が? 何か言うってたん?」

 

もう呆れてものが言えん。直ぐ傍に半日もいたのに、なんで気が付かんの? なんも見てないんかいな?

 

母はこんな感じで、周りを何も見てないし、何も気が付かない人だった。だからあらかじめ危険を察知し、避けることもできない。

 

他人に関心がないから何も目に入らないのか、視野が恐ろしく狭いだけなのか…?

 

何がどうでそうなのかわからないが、頭に余裕がないんだろうなと思う。できる限り情報をキャッチして状況判断をする、そういうことが恐ろしくできない人だった。

 

あらかじめ先のことを想定しておけないから、すぐ不安になってわめくし騒ぐ。あらかじめ情報をキャッチして蓄えられないから、実際にそうなってから慌てる。

 

これが子供ならいいのだが、大人の恰好をしているから扱いに困った。

状況を説明すると、バカにしているとか偉そうだなどと文句を言う。自分だけ気が付かないことが悔しいのか恥ずかしいのか、すぐに逆ギレされるので面倒なことこの上ないのだ。

 

なんであんな子供の様な人が大人の顔をして生きていたのか不思議でならないが、周りの者は異常に気を遣わないといけないので、疲れるのである。