母は他責の人である。
母が誰かに謝るのを、私はこれまで見たことがない。
自分の言動で誰かが傷ついても、それは傷ついた相手が悪いのだと言う。
「人の受け取り方なんて色々だから、人の言うことなんて、いちいち真剣に聞くことはない」のだそうだ。
なるほど。
ではもしあなたが同じことをされても、気にも留めないんだね? 1ミリも傷つかないし、気にもならないんだね?
ところがそうはならない。
自分が何かされると、いつまでもウジウジと相手を恨む。周りに言いふらして憂さを晴らす。自分の味方をしてくれないと、訳の分からない理屈でわめく。
言ってることと、全然違うじゃないか?
そのことを指摘すると、「細かい理屈を言うな!」と逆切れされる。
この人の頭の中は、一体どうなっているんだろうか?
権威に恐ろしく弱い人だから、相手が「先生」と呼ばれる職種の人には何も言えない。
みっともないくらい「借りてきた猫」状態になる。いつもの威勢はどうしたんだ?と言いたい。
母は攻撃する相手を選んでいる。「攻撃する」と言うか、気を抜いているんだな。気を抜くと相手を攻撃することになるんだから、恐ろしいモンスターだ。
自分が損をしない相手にだけ、勝手気ままな好き放題の行動をとるんだ。そうしておいて、「傷つくのは相手が悪いんだ」と言ってはばからない。
一度だけ「自分より強い相手には言わないんだね」と嫌味を言ってやったら、「そんなの当り前や。世渡りは上手にやらんと」と豪語した。
そんなものを「世渡り上手」とは言わない。あきれてものも言えない。
客観視できない人だから、自分がいかに理屈の通らない事を言っているのかがわからない。
人の気持ちも自分の気持ちもよくわからないからそうなれる。自分の感情以外、何も理解できない人だから、常に他責になれるんだよ。
それがどれだけカッコ悪いことかがわかっていない。
だから自分のことを、誠実で堅実で真面目で、人の面倒を見るいい人だ、なんて世迷い事が言えるんだ。
ほんとに、この人の頭の中はどうなっているんだろうか? 不思議でならない。